レギュラトリーサイエンス学会誌
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特集(医療機器の生物学的安全性試験法ガイダンス改定)
刺激性試験のトピックス
加藤 玲子宮島 敦子蓜島 由二
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2020 年 10 巻 2 号 p. 55-62

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抄録

医療機器の生物学的安全性評価において, 刺激性試験は, 生体と直接あるいは間接的に接触する医療機器に必須の評価項目である. 皮膚刺激性試験は, 一般的にin vivo試験で実施されてきた. 近年, 動物試験の削減をめざして, 医療機器の抽出液の皮膚刺激性を評価するための再構築ヒト表皮 (RhE) モデルを利用したin vitro試験法が開発され, 国際ラウンドロビンスタディによりその有用性が示された. これを受けて, 令和2年1月6日に発出された厚労省通知の別添 「医療機器の生物学的安全性試験法ガイダンス」 の第5部 「刺激性試験」 に, 当該in vitro試験法が採用された. 当該試験は皮膚一次試験の代替法であるが, この方法はin vivo試験と異なり刺激性の強さを定量的に評価できない. 今後, この課題を克服することが必要と考えられる.

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© 2020 一般社団法人レギュラトリーサイエンス学会
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