2020 年 10 巻 2 号 p. 63-68
より実用的な試験法ガイダンスとするために, 医療機器の生物学的安全性試験のひとつである血液適合性試験の試験法ガイダンスが改訂された. 現在, 溶血性試験 (材料起因) を除きほぼすべての医療機器に適用可能な血液適合性試験およびそのプロトコルはない. また, 国内では試験を設計するために必要な情報も十分ではない. これらの事情により, 国内においては医療機器の血液適合性試験としてどのような試験を実施すればよいのかわかりにくい状況になっていると考えられた. このため, 改訂されたガイダンスは, 使用者が医療機器ごとに血液適合性に関するリスクを理解し, それに合わせて適切に試験を設計できるように情報を提供することに重点をおいている.
本稿では, このガイダンスの主な変更点について解説する. 本稿の情報が, ガイダンスの理解を深め, 試験の設計に役立つものになることを期待する.