2026 年 16 巻 3 号 p. 201-211
G7およびG20各国が合意した「100日ミッション(100 Days Mission)」は,新興感染症の発生から100日以内に,ワクチン,診断薬,および治療薬を供給することを目標としている.本総説では,COVID-19ワクチン(BNT162b2,mRNA-1273,ChAdOx1-S,Ad26.COV2.S,およびNVX-CoV2373)の初期承認申請について,6つの国および地域(英,米,欧州,日,韓,インドネシア)を対象に比較分析を行い,COVID-19パンデミックにおける日本における薬事上の課題について考察した.承認申請は概して英米欧で先行し,その後にアジア諸国が続く傾向が認められた.英米欧および韓国の規制当局が共通の臨床試験データ構成を受け入れたのに対し,日本においては,日本人を対象としたデータが欠如している場合に国内での追加データが要求されていた.次なるパンデミックへの備えにおいて,規制上の日本人データの必要性についての整理が重要である.