レギュラトリーサイエンス学会誌
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原著
日本薬局方, 米国薬局方および欧州薬局方の比較検討―構成, 通則および不純物の管理について―
松濵 万貴水丸 智絵宮崎 生子
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2018 年 8 巻 2 号 p. 55-68

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抄録

日本薬局方 (JP) は, 医薬品サプライチェーンのグローバル化に対応するため, 国際化の推進が進められている. 例えば, 日米欧三薬局方検討会議 (PDG) において, 米国薬局方 (USP) および欧州薬局方 (Ph. Eur.) と調和活動が行われている. また, 厚生労働省およびPMDA (独立行政法人 医薬品医療機器総合機構) によりアジア地域におけるJPの参照薬局方化も進められている. 世界で広く使用されているUSPやPh. Eur. と比較したJPの特徴を明らかにすることは, PDGにおいて調和活動を進めるうえで, また, 国内外のJPユーザーがJPを適切に利用するにあたって有用であると考えられる. そこでわれわれはまず, 薬局方を理解するうえで最も根幹となる薬局方の構成と通則, および医薬品品質の分野で関心の高い事項のひとつである不純物の管理に関する規定の状況について, 三薬局方を比較した. その結果, 薬局方の構成は三薬局方間で完全には一致していないものの, 通則への準拠を前提として試験法や各条が記載されているという構成は共通しており, また, 三薬局方ともに通則には薬局方全般にかかわる基本的なルールが記載されていた. 一方で, JPは通則11で 「別に規定する」 ことが規定されており, USPおよびPh. Eur. ではこのような個別の承認書との関係に関する規定はなかった. また, JPに比べてUSPおよびPh. Eur. においては, 不純物に関連する多くの章が収載されていた. これらの相違点およびJPの特徴をふまえ, 今後, JPにおいて収載内容の充実化はもとより, 国内外のユーザーの利便性についてもより配慮したものとなることを期待する.

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© 2018 一般社団法人レギュラトリーサイエンス学会
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