1974 年 13 巻 2 号 p. 101-108
現在の日本で業として安全コンサルタント活動を行なっているのは技術士と安全管理士などの一部少数の人々にすぎない.近く労働安全コンサルタント制度が発足することになっており,他に企業内診断を任務とする安全技師の認定も始まるはずである.本稿では自由業としてのコンサルタントの業務はどのようなものか,開業から業務開拓の事例をいくつかあげた.労働安全コンサルタントと現在業務を行なっているコンサルタントとは性格の違いがある点を指摘し,労働安全コンサルタントが業として将来どのような姿になるかを予測すると共に,技術士の報酬の基準が国あるいは自治体から役務供給費を認められるようになっている実情を説明する.これらが安全コンサルタントの報酬基準としても社会的に認められるのは未知数であると思う.