1974 年 13 巻 5 号 p. 297-304
水銀法食塩電解工場から排出される徽量の水銀を含む塩水マッドを安全に廃棄するための研究を行なった.すなわち,塩水マッド中の水銀の溶出挙動を詳しく測定するとともに,新しく開発した選択性重金属固定剤(MEP・ALM)を添加した場合の塩水マッド中の水銀の溶出挙動の変化を,塩水マッドの処理法と溶出試験法の各条件の下で,すなわち固定剤添加量,マッド種類,混合方式,放置蒔間,溶出液pH,溶出時間などの各水準の下で測定した.その結果,塩水マッドにMEP-110 0.5%,またはALM-600シリーズ0.2%程度を添加混練するだけのきわめて簡単な処理により,塩水マッド中の水銀は効果的に不溶出化され,この無害化された塩水マッドは安全に廃棄できることを認めた.また1年以上の自然放置試験や虐待試験により,本法は長期にわたる実用に十分に適することを認めた.