1977 年 16 巻 1 号 p. 13-18
湾や内海での油流出事故に備えて回収船を常設する際の最適経済規模について論じた.事故の発生時刻や位置,事故の大きさ,その時の気象条件等はある確率分布に従う確率変数である.いま油が沿岸に漂着したときから漁業補償問題が発生するとしたとき,漂着までの時間内にどれだけの油量が回収できるかが重要な問題となる.そこで多くのシミュレーションを繰り返して漂着時聞を求め,それを用いて漁業補償と船団の維持費との兼合いから回収船群の最適フリートサイズをD.P.法によって計算した.