1980 年 19 巻 5 号 p. 266-271
空間内に可燃性気体を噴出することにより発生した可燃性混合気の濃度の不均一性が,ガス爆発特性におよぼす影響を調べた.実験は,円筒形密閉容器の中に小円孔からメタンを噴出し,その円孔直径,噴出速度および噴出開姶から点火までの時間を変化させて行なった. 実験結果として,局所的に可燃性気体の濃度が可燃範囲内にあると推定できる場合には着火し圧力上昇があること,可燃性混合気の濃度の不均一性がある場合にも最大上昇圧力は近似的に噴出した可燃性気体の量の関数となることなどを示した.これらの結果から,噴出した可燃性気体の量が少量であり空間の平均濃度が可燃下限界より低い場合にも,濃度が不均一であればガス爆発を起こし,その圧力は被害が発生しうる値に達することがわかる.