1985 年 24 巻 1 号 p. 17-23
MkⅢ弾動臼砲は,爆発による臼砲の振れと試料が比例するため爆発威力を測定するのに有用な試験法である、そこで今回は,このMk皿弾動臼砲を用いて不活性物質希釈による不安定物質の爆発性を調べた.その結果,TNT,テトリル,PETNの高性能爆薬は希釈により威力の低下が見られ,さらにこれを50/60鉄管試 験で確認した.また,硝安を硫安で希釈すると最初その威力は増えるが,硫安の割合が増えるにつれ希釈剤として働き威力は低下した.一方,過酸化ベンゾイルはその分解温度の低さのため,高性能爆薬とは異なった挙動を示した.以上,弾動臼砲は希釈の影響を評価するのに有効な試験であるものの,最終的に爆ごうの伝播性を調べるには50/60鉄管試験と並行して行なう必要があることがわかった.