2000 年 39 巻 2 号 p. 91-97
反応危険性を評価する装置の一つであるARCの信頼性を検討した.この評価には,ほぼ同一の生成物 分布が得られるDTBPをトルエンに希釈した系を校正試料として選択した.その結果,DTBP濃度が 7.5~20wt%のデータをべ一スに決定した活性化エネルギーと頻度因子は試料濃度によらず同等の値を示し,また文献値とも一致した,また,断熱速度式を発熱成分の濃度が異なる系に適用する場合,断熱温度上昇値を厳密に吟味することが重要であることがわかった.さらに,断熱温度上昇に差違が生じる原因にっいて,装置固有の問題と試験条件の設定から発生する問題にっいて考察を行った.