かつて国立研究機関や国立大学であった独立行政法人は,平成13 年4 月以降,労働安全衛生法に基づいて安全衛生管理を行っている.しかし,同法は最低基準を定めるに過ぎないもので,管理の一層の充実を図るには安全衛生基本計画の策定や本質的安全設計方策及び安全防護の採用をはじめとする自主的管理活動が必要である.また,今後望まれる独立行政法人の安全衛生管理は,労働安全衛生だけでなく製品安全,環境,防災,セキュリティなども含めた総合科学としての体系を整える必要がある.この体系で特に重要なのが当該技術体系の原理・原則であり,この確立には各分野の専門家が参画した徹底した討論が必要である.以上のような構想で安全衛生管理が再構築されたとき,この体系を尊重し習得しようというインセンティブが研究者に働き,形骸化を防ぐことができるであろう.