2014 年 53 巻 4 号 p. 228-233
山口県では,平成23 年,24 年にコンビナート重大事故が相次いで発生し,また,南海トラフ地震に備えるため,総合的な防災対策の構築を目的とし,三つの事業を柱にした検討会を設置した. この柱の一つ「総合防災診断」は,事業所の潜在的な課題を洗い出し,対策を検討するものであるが,最大の特徴は,コンビナートの現場を支える運転部門・設備部門等の管理職・運転員に対し,ヒアリングを行い,「現場の声」を拾い上げた点である. この声は,現場の実態や悩みを浮き彫りにさせ,「人」・「設備」・「手順」・「保全」の多面的分析,時代背景を関連付けた診断を行い,現代のコンビナート事業所が抱える課題を整理し,これからの対策を示した.