要旨：〔目的〕高齢者の骨密度に影響を与える因子として食欲と外出頻度との関係を調査した。〔対象〕体力測定会に参加した地域在住高齢者72名（年齢74.2±6.6歳）とした。〔方法〕測定項目は，踵骨骨密度（若年平均値比較：％ YAM，同年齢比較：％ AGE），骨格筋量指数，握力，上体起こし，片脚立位時間，30秒椅子立ち上がりテスト，TUG，最大歩行速度，簡易栄養食欲評価法（simplified nutritional appetite questionnaire : SNAQ），外出頻度とした。各測定項目間の関係を相関係数と重回帰分析で検討した。〔結果〕骨密度（％ YAM および％AGE）はSNAQ と有意な相関があり，外出頻度との関係はみられなかった。重回帰分析では，SNAQが抽出され骨密度との関係が示唆された（％ YAM: b＝0.27，％ AGE: b＝0.28）。〔結語〕食欲は地域在住高齢者の骨密度に影響を与える可能性が示唆された。
