抄録
マスカラの構成成分の中で,皮膜形成性樹脂 (以下,樹脂) がカール効果およびセパレート効果に大きく影響することが知られている。従来からさまざまな樹脂の開発が行われてきたが,樹脂がもつ特性と,カール効果およびセパレート効果の関連についての詳細な研究は行われてこなかった。そのため,現存する樹脂では十分なカール効果およびセパレート効果を実現することができなかった。そこでわれわれは,より高い機能をもつ樹脂を開発するために,樹脂の塗膜強度と硬化速度に着目した塗膜挙動解析を行った。さらにこの解析結果に基づき,アクリル系樹脂のモノマー組成をコントロールすることにより,塗膜強度が高く硬化速度が速い,新規アクリル樹脂 (SCレジン) を開発した。SCレジンを配合したマスカラは,従来の製剤と比較してカール,セパレート効果が明らかに高かった。この結果から,塗膜挙動を制御することで,求める樹脂の開発が可能となることが示唆された。