2018 年 52 巻 1 号 p. 2-7
肌の外観(アピアランス)は,われわれにとって最も身近な知覚・認知の対象である。数ある化粧品の機能の中で,肌の外観を改善,演出することは最も期待されるものの1つである。肌の外観を決定する重要因子の1つとして“質感”が現在大きな注目を浴びており,さまざまな産業・学術分野において研究が行われている。中でも化粧品分野においては,製品の開発や効果検証などを目的として,従来からさかんに肌を対象とした質感研究が行われてきた。このような化粧品の質感研究では,目的とする肌質感の特徴やその質感が発現する要因を把握するための評価研究と,評価で見出された結果をもとに質感の制御を具現化する素材・製剤開発研究が連携することがしばしば求められる。本報では,化粧品分野の質感研究の特徴理解を目的として,特に,光学・画像技術をベースにした質感の評価と制御に関して,先行研究などのレビューも通してその概要をまとめる。