2025 年 59 巻 2 号 p. 88-94
シャンプーには, 主要成分としてカチオンポリマーとアニオン界面活性剤, 両性界面活性剤が配合されており, 使用時に水で希釈されることによって, 希薄相と濃厚相に液─液相分離, いわゆるコアセルベーションを起こすことがしられている。高分子と界面活性剤がリッチな濃厚相はコアセルベートと呼ばれ, その量と質はシャンプーの使用感と密接に関わっていることが報告されてきた。近年, シャンプーに用いられるアニオン界面活性剤は, サルフェート系からノンサルフェート系に移行しつつあるが, ノンサルフェート系シャンプーにおけるコアセルベーションの研究報告例は限られる。今回の研究では, 市販の4種のノンサルフェート系シャンプーを用い, 生成するコアセルベートの性質(生成領域, 生成量, 粒子径, ζ電位, 粘弾性)と使用感との関係を検討したので報告する。その結果, ノンサルフェート系シャンプーにおいてもコアセルベートのさまざまな性質が, シャンプーの使用感に影響を与えていることがわかった。