抄録
近年,ロボットが人とコミュニケーションをする能力は欠かせないものとなっている.人はロボットと言葉によるコミュニケーションが可能であり,ロボット同士のコミュニケーションに関しては,赤外線通信などを用いた機械特有の方法で行っているのが一般的である.本研究では,ロボット同士のコミュニケーションも,人間とロボットのコミュニケーションと同じ方法で行い(プロトコルの統一),不特定多数の人やロボットが集団でコミュニケーションを取れるようなシステムの構築を目指す.プロトコルを統一し,人かロボットかの区別を無くすことにより,対等の立場でコミュニケーションを行うことができるので,人のロボットに対する印象が変化すると考えられる.具体的には,音を媒体として用いることにし,音に適したプロトコルを設定する.音を使うことで,音の要素の違いを利用して伝達内容に幅を持たせることができる.また,特に受信機などを用いなくとも人が直感的に理解できる.今回,人1人とロボット2体を想定し,音色を用いた話者の特定と,メロディを用いた意思表現による簡単な意思疎通を試みる.