システム制御情報学会 研究発表講演会講演論文集
第49回システム制御情報学会研究発表講演会
セッションID: 5C3-3
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適応制御理論を用いた新エンジンシステム
*安井 裕司
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抄録
地球温暖化や大気汚染などの環境問題に対する人々の関心の高まりにともない,世界各国では自動車のエミッションに対する規制強化が行われている.このため,エンジンにおける燃料制御は,電子制御化が始まった当時とは比較にならない程の緻密さが求められるようになった.また,量産車の中には一年間に十万台を超える台数が生産されるものがあり,その走行距離が十数万キロにもおよぶものがある.よって,燃料制御はエミッション性能を維持するために各車両の動特性ばらつきや経年変化を補償するためのロバスト性を持つ必要がある.一方,エミッション規制強化が行われる以前の燃料制御は,PID制御やマップとテーブルを用いたゲインスケジュール制御が主流であり,動特性ばらつきや経年変化に対する十分なロバスト性を有していなかった.そこで,各自動車メーカはエミッション低減のために現代制御や適応制御の空燃比制御への適用の研究を行った.その流れの中,適応制御のモデル化誤差に対する安定性の低さなどの課題が解決され,適応制御を用いた空燃比制御が開発され,エミッション低減技術の核技術として実用化された.
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© 2005 システム制御情報学会
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