抄録
画像データを用いた事例の診断や解析に際して熟練者が利用している専門的なノウハウを,知識コミュニティ内でヒトからヒトへ流通させるためのシステムの開発について報告する.その支援は,画像の諸特徴について解析者が断片的に付記していくアノテーション(注記)を手がかりに,当該事例に関連があると推測される他の事例をシステムが適宜提示することで,解析者自身が能動的に関連性知識を獲得していくための新たな機会やリソースを提供することを指針とする.本発表では,これについて,蓄積事例データの統計処理および DEMATELを用いた解析者(集団)のもつ暗黙的な知識構造(意味ネットワーク)の抽出と,その分析について報告する.