抄録
本研究は遺伝的アルゴリズム(GA)の創発性を使って3次元迷路の問題を生成するものである。3次元迷路はT字型の穴の空いた立方体ブロック(Tキューブ)を3次元に3x3x3=27個を立方体に積み上げて構成するもので、各Tキューブを積み上げる場合、各Tキューブの向きをいろいろ組合わせることにより、種々の3次元迷路を形成することができる。本研究では27個のTキューブの向き(12通りの向きがある)を染色体として進化させる。評価関数には入口から出口までの経路が形成されているか否か、形成されている場合はその経路の長さ、形成されていない場合は、入口、出口から延びている経路の最大長の合計などの情報を組み合わせて構成する。GAの乱数の種を変えることにより、多様な問題を作成することができるが、評価関数において、入口から出口への経路が形成されたことに対する報酬を与える方法を工夫することにより、経路の長さが短い易しい問題、経路の長い問題、分岐の多い問題など生成する問題の性質を制御することができた。