抄録
自然界の創造物である生物と人工物である機械との間に深い関わりを見いだし,その共通点と相違点を探るという考え方は,理工学のさまざまな分野において重要な研究アプローチの一つとなりつつある.機械システムの設計において生物から学ぶことは多く,生物システムの解明において機械から学ぶこともまた多い.本オーガナイズドセッション「生物/機械システムにおける運動と機能の制御」は,生物および機械システムの両者に共通する基本原理である力学とシステム制御理論を主要な柱として,ロボティクス,視覚,ビジュアルサーボ,小脳の運動機能,筋骨格系,アクロバット制御,ロコモーション(歩行・蛇行・飛行・跳躍等),非線形制御などを専門とする研究者による講演で構成されている.本講演では,オーガナイズドセッションの趣旨および全体の方向付けについての解説を行う。