抄録
生体シミュレーションが急速に発展しているが,適当な初期値やパラメータを用いる計算結果は実際と乖離し,不適切となることが多い.このため,臨床データとの融合が重要な課題である.本研究は臨床データとの生体シミュレーションの同化法の確立を目的として,心筋細胞モデルのパラメータ同定を行う.心筋細胞モデルとして広く用いられているKyotoモデルを用い,症例を模擬した心筋細胞運動が実現されるパラメータの推定を行う.本稿では特に最適化を用いたパラメータ推定法について述べる.数値実験により提案手法の有効性を明らかにするとともに,生体シミュレーションにおける同化における問題点を明らかにする.