抄録
本稿では、TUI (Tangible User Interface)に基づく映像操作に関するシステムとして、映像があたかも超低速な光としてプロジェクタから投影されていることを模倣する3次元空間インタラクションシステムを提案する。超低速な光で映像することにより、投影面の前後の空間に、現在投影面に映っている画像の過去・未来の画像を投影する光が存在すると考えることができる。よって、ユーザは投影面を前後に移動させる・投影面をプロジェクタに対して傾けるなどの簡単な操作により、映像の任意の再生フレームを探索する・異なる再生時刻の混ざった時空間映像の断面画像を見るなどの映像操作を行うことができる。本システムは、実空間上の物体が操作対象となるために、直感的な操作が可能となり、GUI(Graphical UserInterface)によるアプリケーションに比べ、よりインタラクティブな操作が行えると考えられる。