抄録
自動倉庫の入出庫スケジューリング問題に対しては,これを「巡回路による訪問点分割問題」としてとらえ,有望な巡回路を線形緩和問題を解いて探し出し,最終的に汎用ソルバを用いて厳密解を得るという方法が提案されている.巡回路の絞込みは,列生成とカット生成による緩和値(下界値)の強化と緩和解情報を利用した実行可能解(上界値)の改善によっている. 本発表では,前処理として良好な双対変数の見積もりと見込みのある巡回路の生成を行い,その後で,既存解法と同様の処理を行なう方法を検討する.これにより,計算時間が短縮され,結果的に,厳密に扱える問題規模の拡大が期待される.