抄録
フィールドバスを用いた制御系においては,センサからの計測値が共有ネットーワークを介してコントローラに伝送される.しかしながら,実際の計測においては,一時的に正常なセンサ出力が得られないことがある.例えば,レーザによる距離計測の際に対象物とセンサ間に障害物が入り込む場合や,歪ゲージを用いた圧力センサに振動が加わる場合などが挙げられる.これらの対策として,同一状態量に対してセンサを冗長に用意する方法も考えられるが,コストの面で不利である.そこで,我々は正常なセンサ出力をオンラインで選択し,その結果に基づいてオブザーバゲインを切替える状態推定法を提案してきた.本発表では,非接触センサを用いた推定実験をおこない,提案法により良好な結果が得られることを示す.