抄録
本研究は匂いの識別手法について考察したものである。ある対象の匂いデータを金属酸化物半導体ガスセンサ(Metal Oxide Gas Sensor)及び水晶振動子質量センサ(Quarts Crystal Microbalance)を用いて取得し、得られたデータより、その匂いの特徴量を抽出して識別を行う。匂いの識別に際して、階層型ニューラルネットワークを用いた。同じような反応を示す匂いを対象とした場合、従来は必ずしも十分な識別結果が得られていなかった。本研究ではニューラルネットワークの学習用データと識別用データの選定を工夫し、さらに2種類のセンサによる測定結果を併用することにより、学習時間の短縮および識別結果の改善を試みた。