抄録
工場や設備で収集される操業データに対して多変量データ解析で求める統計量を用いて異常検知し、その寄与プロットを用いることで異常の要因特定する方法が知られている。しかしながら、統計量で検知する異常と品質検査での不良は必ずしも一致しないという課題がある。そこで我々は、品質検査での良品と不良品の統計量への寄与の比を用いることにより、不良要因を特定する「乖離度分析手法」を開発した。本稿では、開発した手法を、半導体、液晶などのデバイス生産ラインのプロセス工程や検査工程に適用した事例を紹介し、乖離度分析の有効性を示す。