抄録
非線形な結合振動子系には,エネルギーが空間的に局在した振動現象が存在し,空間局在モードと呼ばれている.
近年,マイクロカンチレバーアレイにおいて空間局在モードの存在が実験的に確かめられた.
同実験はエネルギー局在現象の工学的応用について,その実現可能性を強く示唆するものである.
工学的応用に際し,エネルギー局在現象の制御が必要不可欠となる.
本報告では,エネルギー局在現象である空間局在モードの制御を目指し,その操作手法について数値的に検討する.
操作手法は,空間局所的な不純物導入による方法と,空間大域的なパラメータ操作による方法とがある.
両者について,相空間の大域構造と,操作される空間局在モードの挙動を定性的に調べる.