脳卒中の外科
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特集 破裂脳動脈瘤の急性期治療―原 著
破裂脳動脈瘤急性期治療におけるステント使用の功罪
中條 敬人寺田 友昭西山 徹朴 憲秀梅嵜 有砂田中 優子山家 弘雄松本 浩明水谷 徹
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2021 年 49 巻 6 号 p. 439-446

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抄録

【はじめに】急性期破裂脳動脈瘤に対するステント支援下コイル塞栓術(SAC)の有効性はまだ明らかではない.われわれは当院で施行した急性期破裂脳動脈瘤に対するSACの治療成績を検討した.

【対象・方法】2014年9月から2019年2月に治療したくも膜下出血126例のうち,塞栓術を施行した破裂脳動脈瘤,連続101例を対象とした.stent(S)群と非stent(nS)群で比較・検討した.

【結果】患者背景は男性30例,平均年齢63.9歳,重症(WFNS Gr.IV,V)59.4%,19例(18.8%)がSAC,82例がステント支援なく塞栓された.S群では2剤以上の抗血小板薬をステント留置前に投与した.ステント使用理由は,ワイドネック9例,重要血管の温存6例,紡錘状瘤1例,FD効果1例,救済目的2例であった.瘤の形状は,囊状10例,解離性7例,紡錘状2例であった.瘤の部位は,内頚動脈3例,前交通動脈7例,中大脳動脈2例,後大脳動脈1例,椎骨脳底動脈6例であった.動脈瘤頚部のサイズは平均5.0mmで,nS群と比べて有意に差を認めた(nS群:平均3.3mm,p=0.0124).周術期合併症はS群10/19例,nS群11/82例に生じた(p=0.0005).S群では血栓塞栓症5例,ステント閉塞2例,再出血2例,脳出血1例であり,morbidity & mortalityは4/19例,21.1%であった(nS群:4/82例,4.9%,p=0.0391).

【結語】急性期破裂脳動脈瘤の治療において,S群ではnS群と比較し高率に合併症が生じた.しかし,他の治療方法がきわめて困難な場合,重症例や高齢者,外科治療が困難であるという観点からは有効な治療方法になり得ると考える.

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© 2021 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
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