物理探査学会創立75周年記念シンポジウムにおける環境セッションの概要について報告する。本セッションでは,近年の環境問題に関する社会的重要性,地圏における環境問題に関して述べ,土壌汚染や地下水保全,さらに高レベル放射性廃棄物の地層処分事業,二酸化炭素の地中貯留事業に関して,我が国の関連する法律や計画,物理探査の役割や適用事例について報告があった。具体的な物理探査の適用事例にとしては,土壌汚染については,鉱山開発に伴って設置される鉱滓ダムの健全性調査,地下水保全については,土木工事に伴う近傍井戸水(温泉水)への影響評価調査,地層処分事業に関しては,各機関の取り組み状況の報告や沿岸浅海域における海底下の淡水性地下水の調査事例,二酸化炭素の地中貯留事業に関しては,各機関の取り組み状況の報告と弾性波モニタリングの例が報告された。