抄録
交差点におけるタンデムソーティング戦略 (TSS) は,右折・左折専用現示のある交差点における容量増強のアプローチである.この戦略では,ある現示の車両のみ交差点に到達できるよう上流部の信号で制御を行うため,それらの車両をより多くの車線を利用して効率的に捌くことができる.ただし,現示間の需要の偏りが大きい場合など,上流信号におけるスプリットがある一定値を越えると,交差点の捌け量が低下する.本研究では,こうした状況におけるケーススタディを行う.その結果,(1) 捌け量の低下が生じている場合でもなおTSS がない場合に比べてTSS 導入時の容量が高い,(2) TSS 導入時のサイクル長を短くすることにより,容量の増加と信号遅れの削減が同時に達成できることがわかった.