繊維製品消費科学
Online ISSN : 1884-6599
Print ISSN : 0037-2072
ISSN-L : 0037-2072
皮膚濡れ感覚の支配要因
小柴 朋子田村 照子
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 36 巻 1 号 p. 119-124

詳細
抄録

人体皮膚の濡れ感覚感受性の支配要因を明らかにするため, 2種の方法で身体各部に濡れ刺激を負荷し, 濡れ感受性を調査した.I.面積の異なるろ紙 (12.52cm, 7.52cm, 52cm, 2.52cm) を温水で濡らして身体26部位の皮膚に貼付したときの濡れ感を測定した.被験者は成人女子5名.II.環境温25・34℃において身体6部位に対し水温・水量・荷重の異なる濡れた綿メリヤス布を接触子として静止・滑動させたときの濡れ感を測定.被験者は成人女子10名.
その結果, 温度・熱流量変化が皮膚濡れ感の主たる要因であり, 荷重・水量等は温熱的要因ほどには皮膚濡れ感覚に影響しなかった.濡れ感受性には部位差が見られ, 皮膚濡れ感受性の内的支配要因として温・冷点や触点の知覚神経の分布密度が重要であることが示唆された.

著者関連情報
© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top