抄録
凍結・融解にさらされる土中の物質循環を考える場合,凍土中の水や氷の量,溶質濃度,熱的性質の変化を評価する必要がある.そこで,サーモTDR(Time Domain Reflectometry)を作成し-20℃から+20℃の範囲で,塩を含む砂とシルトロームの比誘電率,電気伝導度と熱伝導率の測定を試みた.この結果,サーモTDRを用いれば凍土の見かけの熱伝導率や電気伝導度を同時に評価できることが示された.また,凍土の比誘電率は不凍水分量だけでなく氷量によっても異なった.検量式の係数を氷量の関数で与えたところ,比誘電率と不凍水分量との関係をよく表した.測定した熱伝導率を使って,既存の凍土の熱伝導率モデルを比較検討した.また,不凍水分量と熱容量を同時に測定すれば,サーモTDRにより-2℃以下の凍土の全水分量(氷量)も推定できることが示された.サーモTDRの測定精度向上と現場への適用は今後の課題である.