抄録
2014年2月14-15日の関東甲信地方における大雪では,発生した雪氷災害に地域性が見られることが特徴的であり,これには降水形態の違いが関係している可能性がある.そこで,地域による降水形態の違いを明らかにするため,アメダスデータを用いて2月14-15日の降水形態(乾雪,湿雪,雨)を推定した.その結果,2月14日の降雪は関東甲信地方のほとんどで乾雪であったと推定され,湿雪は東京湾沿岸部と房総半島に,雨は千葉県・茨城県の太平洋沿岸部に限定的に出現したことが分かった.2月15日は,午前中に湿雪及び雨の地域が東(千葉県,茨城県)から西に向かって徐々に拡大したことが明らかになった.この大雪で量的割合が最も大きい降水形態は,長野県・山梨県・群馬県では乾雪,東京都では乾雪と湿雪,神奈川県・埼玉県・栃木県では湿雪,千葉県・茨城県では湿雪と雨であった.倒壊した簡易構造物等の下敷きによる死亡事故,車内での一酸化炭素中毒による死亡事故,非住家建物被害,雪崩災害の発生地域の降水形態の特徴を調べた結果,災害の種類毎に乾雪割合(総降水量に対する乾雪の降水量の割合)が限られた範囲に収まるという特徴が見られ,災害の地域性・偏在性に降水形態の違いが大きく関与していることが分かった.