抄録
2014年2月14日から15日にかけて通過した南岸低気圧によりもたらされた大雪に際して,栃木県南西部の足尾山地東斜面では,広範囲にわたってスギの人工林に甚大な冠雪害が発生した.被害の多くは標高200〜650mの高度帯に集中しており,被害形態は「幹折れ」「幹梢端折れ」「幹曲がり」が多かった.冠雪害発生地域で14日の午後から降り出した雪は,15日に入ると降水強度が大きくなり,気温の上昇に伴って湿雪となった.湿雪として降った降水量は,場所により約100mmに達したと考えられる.冠雪によるスギの幹折れは15日未明から発生し始め,降雪のピークを迎えた午前中に幹折れもピークとなった.15日午前には栃木県の平野部で強い北風が吹いていたが,山間部での風速は平野部ほど強くなかった可能性がある.以上のことから,今回の冠雪害をもたらした最大の要因は,この地域に降った湿雪量の多さではないかと推測される.