雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
論文
斜面上の新雪斑模様の形成過程と積雪構造
後藤 博梶川 正弘
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2022 年 84 巻 2 号 p. 155-166

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抄録

比較的傾斜の大きい事物の壁面に,降雪後ある程度規則的な斑模様がよくみられる.これは事物表面に形成された新雪の小塊が斑点となって見えるのである.降雪中における木製模型斜面上でのこのような斑模様の観測から次のことが明らかになった.板面上で斜面に沿う方向の雪の小塊(斑点)中心間の距離(以下斑点中心間距離と記す)は,板面が滑らかで傾角が大きくなるほど長い.斑点中心間距離は降雪強度と負の相関が認められる.斜面上の新積雪密度は,傾角が大きいほど小さい値になるが,これは板面上の斑点形成に基づく積雪構造を考えることによって説明できる.

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© 2022 公益社団法人 日本雪氷学会
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