日本顎口腔機能学会雑誌
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原著論文
下顎臼歯の歯根膜触・圧覚と咬合力負担に関わる因子との関連
小川 徹大石 直鈴木 祐伊藤 利実川田 哲男佐々木 啓一
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2012 年 18 巻 2 号 p. 139-151

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抄録
下顎臼歯における歯根膜触・圧覚と各歯に加わる咬合力,咬合接触面積,習慣性咀嚼側および主機能部位等,咬合力負担に関わる諸因子との関連について検討を行った.
 被験者は健常成人男性16名,被験歯は下顎両側の第一・第二小臼歯,第一・第二大臼歯とした.歯根膜触・圧覚閾値(TDT)は,von Frey毛を用い精神物理学的手法の極限法により求めた.咬頭嵌合位における最大随意咬みしめ時の咬合力および咬合接触面積は,デンタルプレスケールおよびシリコーンチェックバイトを用いて測定した.歯列上の総咬合力,総咬合接触面積に対する各歯に加わる咬合力,各歯の咬合接触面積の割合(%)を各歯の咬合力比,咬合接触面積比として算出とした.習慣性咀嚼側はロールワッテ法,主機能部位はストッピングにて判定した.
 TDTは後方歯ほど高く,小臼歯と大臼歯間には有意差が認められた.各被験者の平均TDTと総咬合力・総咬合接触面積との間には有意な関連は認められなかった.歯種別のTDT比と咬合力比・咬合接触面積比との間に有意な関連は認められなかったものの,全てで回帰直線が右上がりとなる傾向が認められた.習慣性咀嚼側と対側の同名歯間でTDTを比較したところ,習慣性咀嚼側群で有意に高い値を示した.また主機能部位と主機能部位でない同側の隣在の大臼歯のTDTを比較したところ,主機能部位となる大臼歯にてTDTが小さくなる傾向が認められた.
 本研究から,歯根膜触・圧覚と咬合力負担に関わる因子との関連が示唆され,特に日常咀嚼時に歯に加わる負担や頻度が歯根膜触・圧覚と関連が深いことが推察された.
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© 2012 日本顎口腔機能学会
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