2022 年 28 巻 2 号 p. 86-87
I.目的
嚥下障害を有する患者のケアは,多職種が連携して行う必要があるため,生活環境で嚥下機能を簡便かつ正確に評価し,その情報を共有できれば,嚥下障害の早期介入を可能にし,誤嚥性肺炎による入院や死亡リスクの軽減に繋がる可能性がある.
しかし,現状の嚥下スクリーニングテストである反復唾液嚥下テストや改訂水飲みテスト(MWST)は主観的要素が大きく,検査者間のばらつきが大きい.また,嚥下造影や嚥下内視鏡検査は侵襲的かつ専門性が高く,嚥下機能の日常的な観察ツールとはなりにくい.
そこで,本研究では,電子聴診と人工知能(AI)を活用した音響解析技術により,MWSTの際に生じる水の流入音(以下流入音)を指数化するシステムを開発し,その有効性について検証した.
なお,本研究は,広島大学倫理審査委員会の承認を得ている(承認番号 E-1599-1).