日本顎口腔機能学会雑誌
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学術大会抄録
成人男性被験者における頭位が嚥下音に与える影響
山上 祐美榎本 崇宏鈴木 善貴新開 瑞希松香 芳三
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2022 年 28 巻 2 号 p. 84-85

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抄録

I.目的

摂食嚥下障害を評価する方法として嚥下造影検査(VF:videofluoroscopic examination of swallowing)及び嚥下内視鏡検査(VE:videoendoscopic examina-tion of swallowing)がある1).しかし,これらは高価な計測装置や高度な専門技術が必要であり,患者への身体的負担もある2, 3)ことから,大多数をスクリーニングし,嚥下障害の早期発見を行うことは現実的ではなく,簡便・安価で患者に負担の少ない嚥下動態評価法の開発が必要である.

簡便な摂食嚥下機能の評価法の一つに嚥下音に基づく頸部聴診法が挙げられるが,評価者の主観や経験に依るところが大きい4).近年,嚥下音の自動解析をもとに,摂食嚥下障害の評価を行う研究5)が報告されているが,スクリーニング法としては更なる検討が必要とされている.Hondaらは,嚥下音の持続時間と顎位との関係について,正面を向いた姿勢と顎引き姿勢で常温水5mLを嚥下した際,顎引き姿勢で第I音が有意に減少し,第II音が有意に延長したと報告しており6),嚥下音の解析を行う場合,顎位といった交絡因子の影響を考慮する必要がある.同様に,頭位を変化させた場合においても,咽頭形状に影響を与えることが報告されている7, 8)ことから,頭頸部の姿勢によって嚥下音の音響特性が変化すると仮説を立てることができる.そこで,本研究では,中間位,頭位屈曲,頭位伸展の3種類の頭位の嚥下音の音響特徴量への影響を調査することを目的とした.

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© 2022 日本顎口腔機能学会
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