2023 年 29 巻 2 号 p. 110-111
I.目的
近年の研究から,ガムチューイングなどの咀嚼活動が一時的に認知機能を向上させることや,咀嚼機能が維持されている高齢者ほど認知機能障害のリスクが少ないことは知られている1)が,日常生活における積極的な咀嚼行動の増加が認知機能を向上させられるかについてはまだ明らかではない.そこで,本研究は若年者を対象とし,ウェアラブルデバイスを用いて1か月間咀嚼行動の変容を促した場合の咀嚼行動,認知機能,認知課題実行中の脳活動の変化についてランダム化比較試験により検討した(新潟大学倫理審査委員会承認2020-0478, 明治大学理工学部人を対象とした実験研究に関する倫理委員会承認 理工安倫22第558号, 日本学術振興会科学研究費20H03877).