日本顎口腔機能学会雑誌
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学術大会抄録
Shear Wave Elastographyによる慢性・急性疲労を模擬した等尺性筋収縮前後の咬筋弾性の評価
星野 拓真舩倉 智久斉藤 慎一郎木之村 史織小川 徹平田 慎之介田原 麻梨江
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2023 年 30 巻 1 号 p. 19-21

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抄録

Ⅰ.目的

顎関節症症状の一つとして咀嚼筋痛障害が挙げられるが,その病態生理は不明な点が多い.過去の知見から,顎関節症患者は正常者群と比較し咀嚼筋の弾性が大きいという報告があり1),また実際に咀嚼筋が全体的もしくは部分的に硬く凝り固まっている患者は多くみられる.しかしながら,顎関節症の発症と咀嚼筋の疲労や弾性との因果関係の詳細は未解明である.本研究では,咀嚼筋の疲労と弾性特性との関係を明らかにし,顎関節症発症メカニズムの解明に貢献することを目的とした.本報告では,急性および慢性的な疲労を模擬した噛み締めタスク(等尺性筋収縮)を実施し,咬筋の弾性(剪断波速度)の変化について検討した.本研究では,慢性的な筋の疲労状態は顎関節症症状と類似し,咬筋の弾性は増加すると仮説を立て,その検証を行った.

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© 2023 日本顎口腔機能学会
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