2024 年 30 巻 2 号 p. 147-149
Ⅰ.目的
近年,食行動(咀嚼行動や咀嚼能力)と,肥満やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病との関連が注目されており,食べる速さや咀嚼回数と過体重との関係がしばしば報告されている.しかし,その多くが横断研究であり,介入を伴う縦断研究の報告は数少ない.また,咀嚼行動に関する研究の多くで自記式質問票による主観的咀嚼行動評価が用いられており,咀嚼行動を「客観的」に評価しているものは数少ない.
我々はSHARP社が開発したウェアラブル咀嚼回数計bitescan®1)(図1)を用いることで日常的な咀嚼行動の実態を客観的に評価することを可能にし,健常成人における咀嚼行動と,BMIや体重との関連性2)やbitescan®を用いることによる咀嚼行動変容の実効性3)を報告してきた.
本研究では,先行研究の結果を踏まえた上で,肥満者において咀嚼行動変容を行うことで体重にどのような影響を与え,咀嚼行動変容が体重のコントロールに有効かどうかの検証を行った.