2026 年 32 巻 1 号 p. 98-99
Ⅰ.目的
咀嚼は,摂取した食物を粉砕し唾液と混和して食塊を形成する過程で,生命維持に関わる重要な運動機能である.随意的な咀嚼の顎運動パターンは,大脳皮質を含む様々な脳領域によって制御されている 1-3).咀嚼に対する大脳皮質の関与については,これまで大脳皮質の刺激や破壊・抑制による効果,単一大脳皮質ニューロン活動の記録によって解析されてきたが4,5),咀嚼の際に個々の大脳皮質ニューロンが集団としてどのような活動を示すのか,またその特性が歯の喪失によってどのように変化するのかについては不明である.そこで本研究では,覚醒下のマウスの咀嚼関連大脳皮質ニューロンから2光子励起顕微鏡によるCa2+イメージングを行い,この領域に位置するニューロン集団の活動パターンを特徴付けることを目的とした.加えて,歯の喪失による活動パターンの影響を経日的に解析した.