2019 年 92 巻 1 号 p. 21-27
地球温暖化問題が深刻さを増す中,世界各国で温暖化ガスである二酸化炭素の排出の抑制に取り組んでいる。輸送機器から排出される二酸化炭素もその規制対象であり,とくに自動車に関しては各国で厳しい二酸化炭素の排出量規制値を決め,燃費の向上に取り組んでいる。燃費の向上にはパワートレーンの性能向上以外に,車体の軽量化が有効であり,車体の軽量化には超高張力鋼や炭素繊維強化プラスチック等の利用が効果的である。本論では,今後の二酸化炭素の排出量規制の予測から軽量自動車車体に必要になる軽量素材の見通しを述べる。