抄録
光干渉断層計(OCT)は検出技術がタイムドメインからスペクトラルドメインになり高速化した.さらに波長掃引型OCTにより深さ方向の感度減衰が少ない理想的な眼底断層像取得が可能になった.光源の広帯域化により深さ分解能が高くなった.さらに補償光学を応用することで横方向の分解能を高めることに成功している.また,1,050nmの長波長光源を用いることで脈絡膜,強膜,篩状板の描出が向上した.以上の強度画像の性能進歩に加え,偏光OCT,ドップラーOCT,網膜機能OCTなどの新しいOCT技術の研究により網膜の組織,血流,機能の描出も可能になってきた.