脳脊髄液が減少する病態では起立時に増悪する頭痛・頸部痛,めまい,耳鳴り,視機能異常,嘔気,倦怠感,疲労感など多彩な症状を呈する.また,多くの症例が様々な視機能異常を自覚しており眼痛,ピントが合わない,単眼複視,複視,視力低下,羞明,視野障害などを自覚して眼科を受診している.眼所見としては輻湊痙攣,原因不明の視力・視野障害,求心性視野狭窄を呈する例があるが,眼科的に異常がみられない症例も多い.今回は,眼科を受診してその後,脳脊髄液漏出症と診断された4例について提示する.眼所見以外の症状にも注目し,事故や外傷の既往を過去にさかのぼって確認し,脳脊髄液減少症が疑われれば専門医に紹介していく必要がある.