心臓
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第21回 心臓性急死研究会
冠攣縮性狭心症による心室細動を繰り返した1例
寺田 健阿部 芳久庄司 亮熊谷 肇佐藤 匡也門脇 謙三浦 傅柴原 徹藤原 敏弥中川 正康伊藤 宏
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2009 年 41 巻 SUPPL.3 号 p. S3_109-S3_113

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抄録
 症例は50歳, 女性. 6年前に安静時狭心症で入院. 冠動脈に有意狭窄なく, 左室造影でも左室収縮能正常. 冠攣縮が誘発され内服治療を開始. 5年前から狭心症発作が頻回となり, 薬物治療を強化したが, 胸痛発作で救急搬送中心室細動 (VF) をきたし, 自動体外式除細動器 (AED) 6回無効で心肺停止状態で来院. 蘇生に成功し, IABPとPCPS装着し回復した. 冠動脈造影は正常冠動脈. 内服治療をさらに強化したが2年半前に狭心症発作から心室頻拍をきたしたため, 植込み型除細動器 (ICD) 植え込みを施行した. その半年後に再び心室細動で救急搬送. ICDの適切作動にもかかわらず, 心室細動を繰り返し心静止状態で救急搬送された. 蘇生に成功し, デノパミンを追加後は狭心症発作なく, 2年間経過している.
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© 2009 公益財団法人 日本心臓財団
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