心臓
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シンポジウム
64チャネル心磁計による心房細動波の解析と臨床的意義
中居 賢司伊藤 学坪井 潤一岡林 均
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2012 年 44 巻 SUPPL.1 号 p. S1_20

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抄録

超伝導量子干渉素子(SQUID)を用いて導出する心磁図は,心臓の電気的興奮に伴い発生する磁界の3次元解析を特徴とする.今回,64チャネル心磁計(64ch MCG)による心房細動波の解析と臨床的意義について報告する.2次元心臓磁界データ(Bz)に空間フィルタ法を適用して3次元電流密度分布を計算し,同一個人の3次元心臓外郭を求めた.さらに2次元心磁界データQRS波削除後にFFT(高速フーリエ変換)による心房細動波の周波数解析を行い,心房細動波電流密度のスペクトル(周波数,パワー)の3次元表示を行った.外科的肺静脈隔離術(PVI)を施行した弁膜症に合併した心房細動13例で,心房細動波のスペクトラム解析を行った.PVI後に洞調律に復帰した例(n=9)での心房細動波の平均周波数は,術後も心房細動であった群(n=4)に比べて低値であった(6.5±0.7Hz vs 7.7±0.5Hz).64ch MCGによる心房細動波スペクトラムの3次元表示は,PVI適用評価に有用な指標と考えられた.

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© 2012 公益財団法人 日本心臓財団
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