心臓
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第24回 心臓性急死研究会
院外心停止から蘇生した冠攣縮性狭心症例の臨床的特徴ならびに予後の検討
冠攣縮研究会多施設共同研究からの報告
高木 祐介安田 聡角田 隆輔緒方 康博関 敦住吉 徹哉松井 幹之後藤 敏和田辺 恭彦末田 章三佐藤 俊明小川 聡久保 典史百村 伸一小川 久雄下川 宏明
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2012 年 44 巻 SUPPL.2 号 p. S2_92

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抄録
背景:冠攣縮性狭心症(VSA)は院外心停止(OHCA)の原因の1つとなることが,知られている.
目的:OHCAから蘇生したVSA症例の臨床的特徴,予後を明らかにすることを目的とした.
方法:冠攣縮研究会多施設共同研究の登録症例を対象とし,OHCA蘇生例(n=35)と非OHCA例(n=1,394)の比較を行った.
結果:OHCA例は非OHCA例に比して若年(58歳対66歳,p<0.001)で,誘発試験における LADの陽性率が高かった(72%対53%,p<0.05).OHCA例中14例にICD移植が行われた.診断後5年間の心イベントはOHCA例で高率(28%対8%,p<0.001)であった.ICD移植例のうち2例でVFに対する作動を認め,非移植例のうち1例で突然死を生じた.
結語:OHCA蘇生例は高リスク群であり,より厳密な治療,観察を要する.ICD適応に関しては,さらなる検討が必要である.
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© 2012 公益財団法人 日本心臓財団
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