抄録
2010年1月からの2年間に単独大動脈弁閉鎖不全症患者7名に対して施行した大動脈弁形成術について検討した. 大動脈弁閉鎖不全の成因は, 弁尖の逸脱に伴うもの5例 (うち2例は先天性二尖弁), 上行大動脈・sinotubular junctionの開大に伴うもの2例であった. 7例中1例は手術中に弁置換術へ術変更を行っているが, 残り6例の大動脈弁逆流はI/IV°以下への改善を認め手術を終了している. 術後1年目に施行した心エコー検査の結果, 6例中1例に大動脈弁逆流の悪化を認め, 再手術を施行, 弁置換を行った. 残り5症例には閉鎖不全の悪化は認めず現在経過観察中である. 弁置換術を施行された2症例はいずれも70歳以上の症例であり, 弁尖の硬化の存在が形成失敗にいたった原因と考えられた. 一方, 弁尖逸脱が原因でも若年症例や, 弁尖逸脱を伴わない症例の1年後の成績は良好であった.